2012年11月30日金曜日

スピード注意

 こんにちは。理系担当のIです。

 今日、私の研究室の先生が、廊下を急がしそうに走っていくのを見ました。
その瞬間、「明日から師走だなぁ」と実感したのでありました。

 基本的に師弟というのはなにかと弟子が走っているのが平常状態ですが、師も走るとなればそれは忙しいに違いない、と妙に納得してしまいました。
 などと考えていたところで、ふと師走の語源について調べてみたところ諸説あるようですね。
 

 ・上でも書いたのと同じ、師走という字の意味をそのままとらえた「忙しくて師匠も走る」説。ちなみに何の師匠かは謎の模様。

 ・「師」というのはお坊さんのことで、あちこちの家でお経をあげるために忙しく走り回る「師馳す」説。

 ・ここでの「師」というのは特定の誰かをさす言葉ではなく、「大勢の人」という意味(たとえば”師団”という言葉のように)。なので「猫も杓子も走る」説。

 ・「年果てる」から「しはす→しわす」となったという説。

 ・平安時代には、十二月と書いてそもそも「シハス」と読んでおり、したがって「師走」という字は後世の当て字だという説。

 ……などなど。まだ他にもあったのですがとりあえず省略します。どれが正しいのか私には判断できませんが、色々あるようで目からうろこではありました。
 個人的にはやはり、なんとなく趣深い「忙しくて師匠も走る」説がお気に入りですが。

 
 図書館の利用者の方々も、なんとなく忙しい雰囲気に包まれているような気がします。私自身、そろそろ修論が大詰めに入ってきているのでそう見えるだけかもしれませんが、師走、恐るべし。
 
修論に限らず、卒論もあり、人によっては試験やレポートの締め切りもあり、これから加速度的に忙しくなってくると思いますが、我々学習支援相談員も、少しでも皆さんののお役に立てれば、と思っております。

2012年11月26日月曜日

中級の韓国語の勉強法

こんばんは。学習支援担当の文系のLです。
今年の夏、初級の韓国語の本を紹介いたしましたが、今日は中級の勉強法について
お話したいです。

どの外国語も同じだと思いますが、
「中級」の勉強とは難しいですね。ある程度慣れてはきたけど、まだ分からないことも
多く、日々勉強していても、はたして自分の実力は伸びているのか伸びてないのか分からない等々悩みがつきません。
下手すると、その外国語への興味を失ってしまいそうにもなりがちです。

「中級」といっても、そのレベルはそれぞれ違っていて、
教材開発において一番難しいのもやはり中級学習者向けの本を作ることだと思います。

韓国語に限定して申し上げますと、
韓国語は初級過程がかなり長い外国語なので、
文字の読み方、発音の変化のルール(最低4つから最多十数ぐらいまで)、
一通りの文法を学習し終えたら中級と言えます。

問題はその後なのですが、
「さて、次は何をどう勉強するか」です。

それからの勉強は、何のために勉強するかによって勉強法も教材も異なります。
韓国へ旅行に行って会話がしたいのなら、実用会話文集を、
資格を取りたいのなら各種過去問の勉強を、
特定の俳優やアーティストが好きなら、その人物が載っている韓国の雑誌のインタビュー
を読んでみたり、日本語訳の歌詞を見ないで、韓国語の歌詞を解読(?)してみたりなど。


さて、ここからが本論なのですが、
もし、そのような決まった目的がない場合の勉強法として
短編小説を読むことをおすすめします。

最近は対訳小説がたくさん出版されています。
例えば、左のページには韓国の小説の原文が載っていて、
右のページにはその日本語訳が載っている形です。

内容は、韓国と日本の昔話から韓国の現代短編小説までいろいろあります。
私個人的には、すでに知っている内容の昔話よりは、
「この先どうなるんだろう?!」とわくわくしながら読めるような、
現代短編小説をおすすめします。

小説は内容が面白いというのもありますが、何よりストーリーがつながっていて、
後で全体の内容、一つ一つの文章を連想しやすいので、語学の勉強にはとても
効果的だと思います。
気に入った文章をまるごと覚えてしまえば、語彙も自然と増えますし、
何よりも、その文章をそのまま、または単語を少し変えて
会話にも、作文にも使えます。


対訳小説を読むときのポイントは、
日本語のページを一切見ないことです。
つい目が行ってしまうので、できれば本を買った日に日本語訳のページは
何かで全部隠すとか、原文のページだけをコピーして使うとか、
とにかく自分なりの訳が終わるまで、日本語訳は見ないことです。

自分なりの訳が終わった後、日本語訳を見て、自分の訳と違うところが
あっても気にすることはありません。
日本語訳は「直訳」ではなく、内容全体のニュアンスを生かすために
さらに手を加えたものですから、
どうしても訳せなかったところの参考にすればいいのです。



現在出版されている本の中で一冊ご紹介します。『楽器たちの図書館』です。

中はこんな感じです。1ページが一つのUNITになっていて、
UNITごとにCDの音源が分かれています。
全部で49UNITなので、春休みに頑張れば二か月で読めるかもしれませんね。



この本の特徴は、文章がとても簡潔なところです。まるで最初から対訳を念頭において
書かれたかのように、簡潔で分かりやすい文章で書かれているので
中級の教材としてとてもいいと思います。


残念ながら、今年の9月に出版されたばかりの新刊で、まだ所蔵している図書館がほとんどなく、信州大学の図書館にもないのですが、駅前のM本屋には入っているので、興味のある方は見て
みてください。
もしよさそうでしたら、図書館に「リクエスト」してみてはいかかでしょうか(^ ^)












2012年11月19日月曜日

「寒冷な季節」

こんばんは。
天気予報では最近しきりに「西高東低、冬型の気圧配置だ」と
言われる日が多くなってきましたね。
今日みたいに風が強くても、まだ暖かい日差しがあれば救われたような気分になります。
こんな季節には、朝ベッドから外へ出るのも辛いのですが・・・
下に紹介する詩では、そんな自分を甘やかそうとする心にぴしゃりと一発食らわせたくなります。


寒冷な季節     

    枯葉みたいに涸いた日日が
    北風の中でくるゝと舞つてゐる
    僕は一本のステッキのやうに
    それらを叩いて進むのだ
    ともすると街の人々は口を尖がらせて
    不足不平を社交儀禮に使はうとする
    おお おびただしい無駄言の喫煙よ
    新らしい衣装を着るためには
    思ひ切つて一切を脱ぎ捨てることだ
    淸々しい黎明の冷たさの中で
    またベッドの暖もりを思ふ愚かさを知れ
    僕は見る
    春を迎へるために骨のやうになつた
    一枚の葉すら付けてはゐない樹木の露はな姿を
    さうして
    樹木の肋骨のあたりに光る
    靑い勳章のやうな満月の美しさを
    僕はいま新らしい情熱に點火するのだ
    この寒冷な季節のさなかにあつて



作者は岩佐東一郎(1905~1974)。
大正末~昭和初期にかけて堀口大學と日夏耿之介に師事し、大學の影響を受けた洗練された明るいウイットとユーモアを特徴とする「軽妙なモダニズム的スタイルの抒情」を完成させた詩人。代表的詩集に『ぷろむなあど』(大12、近代文明社)、『航空術』(昭6、第一書房)、『神話』(昭8、書物展望社)などがあります。

上に載せた詩は、『春秋』(昭16、文芸汎論社)に収められている詩です。
私は「新しい衣装を着るためには/思い切つて一切を脱ぎ捨てることだ」という部分が好きですね。あったかい、ぬくぬくとした環境から自らを離し、「淸々しい黎明の冷たさ」の中で
冷たい風にあたることも、自分を見つめなおすためには欠かせない作業なのですね。

この寒冷の季節、皆さんはどう過ごしますか?


※参考文献: 日本近代文学館編 『日本近代文学大事典第1巻』講談社、1977年。
          三好達治編 『日本現代詩大系第9巻』河出書房新社、1975年。


2012年11月16日金曜日

山! 雪! 冬の訪れ・・・

お久しぶりです,学習支援相談員のMです.
 寒くなってまいりましたが,みなさん風邪など引いていないでしょうか?自分は研究室の中で蔓延している風邪をまんまと貰って,喉がはれ上がり大変なことになっております.図書館もいろんな人がいらっしゃるのでうがい手洗いなど,万全の対策をお願いします.
 さて,今回も本を紹介したいと思います.今日紹介する本は山岳小説の中でもかなり有名な「氷壁」という本です.昨日,今日で松本から見える山々もすっかりと雪化粧し,厳しい冬の訪れを告げていますが,世の中にはそんなさむーい山の中に入っていく人々もいるみたいです.この小説は,そんな登山を生きがいとする主人公が,冬山登山事故で友人を亡くし,自分の人生を振り回されていく中で女性への愛を通して人生と向き合っていく話です.主人公の生き方には賛否両論あるでしょうが,もしこのような人生を揺るがす事態に陥った時,自分ではどう判断しどう生きていくのかという事を考えさせられる小説です.
 山岳基地の松本でよく聞く名前の山が出てきますし,親しみやすい(内容は重いですが)と思います.是非一読してみてください!

2012年11月12日月曜日

オススメの本など

こんにちは。

学習支援員(月曜・文系)のYです。

今日は私のおすすめの本を紹介させてください。↓


 
 
アレックス・ロビラ、フランセスク・ミラージェス 著
田内志文、青砥 直子 訳
 
『TREASURE MAP ― 成功への大航海』
 
アチーブメント出版、2012年
 
 
著者は、数年前に話題になった『グッドラック』という本を書いた方です。
 
実をいうと、私はこの手の自己啓発本のようなジャンルに馴染みはないのですが、
この本とは特別な理由があってめぐり合いました。
 というのも、この本のイラストを描いている星野槙子さんが
私の高校時代の友人なのです。
 
ゆっくり読む時間がなく、買ってからしばらくは部屋に置いて眺めていたのですが、
たまたま昨日寝る前に読んでみたら、今の私にぐさっと刺さる言葉がたくさんありました。
 
 印象的な言葉の中には、以下のようなものもありました。
CHAPTER 1 の「安定中毒を克服する」という小題の中の
ライモン・サンソという人物の言葉です。
(※『EL CÓDIGO DEL DINERO (マネーの掟)』の著者で成功セミナーなどで活躍するスペイン人コーチらしいです。)
 
 
「安全性など幻想にすぎない。雇用、つまり他者のために働くのは 
あらゆる仕事の中で最も不安定な形態だ」
 
 
ここだけ抜き出してしまうと誤解が生じそうですが・・・
とかく“安定”を求めてしまいがちな今の私たちには考えさせられる言葉です。
・・・「安定」って何なんでしょうね。
 
 
本の帯には、
 
「成功者の経験やビジョンから教訓を引き出し、航海の糧にしよう」
 
とあり、内容も文章の量も初心者にはちょうどいい感じです。
 
本の装丁も凝っていて、
部屋に置いておいても雰囲気を邪魔することなく、馴染んでくれるはずです。(実証済!)
 
気になる方は、ぜひ探してみてください。
 
(申し訳ありませんが、信大図書館にはないようです。リクエストしてみようかな。)
 
 
 ・・・それから、少しご注意・・・
最近、図書館で勉強している方が多いですが、
皆さん、席を離れる際には、貴重品の管理にくれぐれもご注意ください。
 
また、大事な時期ですので、体調管理にも気を付けたいですね。
風邪気味の方は、周りの方にうつさないよう
マスクや“咳エチケット”の心がけもよろしくお願いします。
 
手洗い、うがいを忘れず、みんなでこの冬を元気に乗り切りましょう。
 


2012年11月5日月曜日

原作or映画

こんにちは、文系担当のSです。

昨日、一昨日は銀嶺祭でしたね。
清々しい空気と暖かい日差しの中、青空に一段と映える紅葉
外に出るだけでワクワクする、まさに文化祭日和!だったと思います。
いかがでしたか?


さて、これから寒くて外へ出たくなくなる季節がやって来るという事で・・・
さっそくオススメの映画を紹介します。是非コタツにあたりながら観てください。

『ドリアン・グレイ』(Dorian Gray, 2009)

原作は英国の作家オスカー・ワイルド(Oscar Wilde, 1854-1900)の名作
『ドリアン・グレイの肖像』(The Picture of Dorian Gray, 1890)です。

物語の舞台は19世紀末のイギリス
若く美しく純真な青年ドリアンが、屋敷を相続し社交界デビューのためにロンドンへやってきます。
そこで初めて目にする「背徳的な世界」に魅了されたドリアンは、堕落し、享楽に嵌っていき――

主演は、『ナルニア国物語』シリーズの王子役として知られるベン・バーンズ。
主人公ドリアンの美しさと苦悩の様子をとても魅力的に演じています。
ヴィクトリア朝の華やかな社交界と、埃が舞う薄暗いスラム街の映像も素敵。
日本未公開なのが残念です。

原作は図書館の多読コーナーに何種類かあるので、是非読んでみてください。
(Oxford bookworms シリーズ [level3] [請求番号:837.7/ O93] など)
翻訳は『名作集 Ⅰ』(市原豊太ほか訳, 東京:筑摩書房, 1975. [請求番号:908/ C44]) に収録されています。

寒くなりますが、風邪など気を付けて、元気に過ごしましょう。

2012年11月2日金曜日

寒さに耐える

こんにちは。理系担当のIです。

なんと、今年ももう、あと2か月しかありません。
この頃、ずいぶん日が短くなってきたと同時に、どんどん朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。11月に入り、寒さもまだまだこれからですが、皆さんも冬支度を始めている頃かと思います。

 私がこの信州大学に入学した年の冬、それまで経験したことのないレベルの寒さに驚愕したのを覚えています。「寒さもそろそろ限界だ」と思ったときは、まだ12月に入ったばかりのころでした。
 当然、自然はこちらの都合など知る由もないわけで、それからいつまでたっても暖かくなるどころかどんどん寒さが厳しくなっていくなか、
「このままでは自然淘汰されてしまう!」
と、半ば本気で思ったりもしました。冷え込みも、あるレベルを突破すると、寒いのではなく「痛い」のですね。それが私がここにやってきて一番学んだことでした。実家から持ってきた防寒具が軒並み役に立たず、新しく買う羽目になったことには閉口しましたが・・・。

 これからの季節、私のおすすめは暖かい素材のインナー、古い言い方をすれば「ババシャツ」とか「ステテコ」と呼ばれる類のアレです。見た目はどうあれ、これを2枚重ねにすれば大概の寒さはしのげるという頼もしい装備です。是非お試しあれ。

 
 
 ちなみに、人間の歴史でも、衣服の獲得はとても重要であったといわれています。体毛を失ってしまった人類が寒冷地で生きていくためには、衣服の発明が必要不可欠だったのだとか。だったら初めから体毛をなくしたりしなけりゃよかったのでは、と思ったりもしますが、もしかしたら、必死で衣服を発明した歴史があるからこそ、人間は現代のように高度な文明を持つことができたのかもしれません。
 

 それはともかく、松本の冬は初めて、という新入生の皆さんも、がんばって環境に適応しましょう! 
 

 というわけで、環境つながりで一つ、紹介しておきます。


 11月1日~11月22日のあいだ、第一閲覧室で「環境図書展」を開催しております。保全や再生可能エネルギーに関する話題から、国内外の環境への取り組みなど、いろいろなテーマの本が置いてあるほか、2011年度環境教育研修の報告書やポスターなどが公開されています。環境教育に興味がある方も、そうでない方も、時間があればぜひ見ていってください。