今年の夏、初級の韓国語の本を紹介いたしましたが、今日は中級の勉強法について
お話したいです。
どの外国語も同じだと思いますが、
「中級」の勉強とは難しいですね。ある程度慣れてはきたけど、まだ分からないことも
多く、日々勉強していても、はたして自分の実力は伸びているのか伸びてないのか分からない等々悩みがつきません。
下手すると、その外国語への興味を失ってしまいそうにもなりがちです。
「中級」といっても、そのレベルはそれぞれ違っていて、
教材開発において一番難しいのもやはり中級学習者向けの本を作ることだと思います。
韓国語に限定して申し上げますと、
韓国語は初級過程がかなり長い外国語なので、
文字の読み方、発音の変化のルール(最低4つから最多十数ぐらいまで)、
一通りの文法を学習し終えたら中級と言えます。
問題はその後なのですが、
「さて、次は何をどう勉強するか」です。
それからの勉強は、何のために勉強するかによって勉強法も教材も異なります。
韓国へ旅行に行って会話がしたいのなら、実用会話文集を、
資格を取りたいのなら各種過去問の勉強を、
特定の俳優やアーティストが好きなら、その人物が載っている韓国の雑誌のインタビュー
を読んでみたり、日本語訳の歌詞を見ないで、韓国語の歌詞を解読(?)してみたりなど。
さて、ここからが本論なのですが、
もし、そのような決まった目的がない場合の勉強法として
短編小説を読むことをおすすめします。
最近は対訳小説がたくさん出版されています。
例えば、左のページには韓国の小説の原文が載っていて、
右のページにはその日本語訳が載っている形です。
内容は、韓国と日本の昔話から韓国の現代短編小説までいろいろあります。
私個人的には、すでに知っている内容の昔話よりは、
「この先どうなるんだろう?!」とわくわくしながら読めるような、
現代短編小説をおすすめします。
小説は内容が面白いというのもありますが、何よりストーリーがつながっていて、
後で全体の内容、一つ一つの文章を連想しやすいので、語学の勉強にはとても
効果的だと思います。
気に入った文章をまるごと覚えてしまえば、語彙も自然と増えますし、
何よりも、その文章をそのまま、または単語を少し変えて
会話にも、作文にも使えます。
対訳小説を読むときのポイントは、
日本語のページを一切見ないことです。
つい目が行ってしまうので、できれば本を買った日に日本語訳のページは
何かで全部隠すとか、原文のページだけをコピーして使うとか、
とにかく自分なりの訳が終わるまで、日本語訳は見ないことです。
自分なりの訳が終わった後、日本語訳を見て、自分の訳と違うところが
あっても気にすることはありません。
日本語訳は「直訳」ではなく、内容全体のニュアンスを生かすために
さらに手を加えたものですから、
どうしても訳せなかったところの参考にすればいいのです。
現在出版されている本の中で一冊ご紹介します。『楽器たちの図書館』です。
書籍名 | ハングル短編小説楽器たちの図書館 |
著者 | キムジュンヒョク |
翻訳 | 波田野節子 |
出版社 | NHK出版, 2012 |
ISBN | 4140395532, 9784140395530 |
ページ数 | 111 ページ |
中はこんな感じです。1ページが一つのUNITになっていて、
UNITごとにCDの音源が分かれています。
全部で49UNITなので、春休みに頑張れば二か月で読めるかもしれませんね。
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この本の特徴は、文章がとても簡潔なところです。まるで最初から対訳を念頭において
書かれたかのように、簡潔で分かりやすい文章で書かれているので
中級の教材としてとてもいいと思います。
残念ながら、今年の9月に出版されたばかりの新刊で、まだ所蔵している図書館がほとんどなく、信州大学の図書館にもないのですが、駅前のM本屋には入っているので、興味のある方は見て
みてください。
もしよさそうでしたら、図書館に「リクエスト」してみてはいかかでしょうか(^ ^)
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